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 どんなに優れた製品・サービスを提供していても、営業が数字を追求し、数字をつくらなければ、安定した経営は成り立たない。個々の営業担当のスキルはもちろん大事だが、全メンバーをチームとして束ね、会社としての目標を確実に達成していくには、営業リーダーのマネジメントが極めて重要な意味を持つ。本連載では『なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(遠藤公護著/クロスメディア・パブリッシング発行)から、内容の一部を抜粋・再編集。営業におけるKPIマネジメントの要諦とチームをまとめるリーダーシップの在り方を提示する。

 第3回は、一段階上の売上を目指す上で不可欠なアカウントプランの実施時期と基本構造について解説する。

アカウントプラン

なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(クロスメディア・パブリッシング)

 担当営業や営業マネージャーにとって、営業オペレーションの中でも「効果的な実施が難しい」と感じるものの筆頭に挙げられるのが、このアカウントプラン(顧客攻略プラン)かもしれません。スタートアップ企業など、まだ初期フェーズにある会社では、そもそも実施していないケースも多いでしょう。

 もちろん、実施するタイミングは企業の状況によって様々です。私個人としては、「狙った顧客を突破しないことには、これ以上の売上増は見込めない」と判断したときに実施するのが良いと考えています。なぜなら、アカウントプランは相応の時間と労力を要するものであり、現場への負荷もあるためです。

 もし、現状で問題なく売上が伸びているのであれば、無理に実施する必要はないでしょう。販売初期や、順調に売上が伸びている時期は、むしろ「何を行えば製品が売れるのか」「この製品の勝ち筋は何か」といった点を見極めることに集中すべきです。

 そして、その過程で直面する壁、あるいはどうしても攻略したい業界のキーとなる会社を獲得するために、もう一段階上のレベルを目指すタイミングこそが、アカウントプラン導入のベストタイミングと言えるのではないでしょうか。