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 どんなに優れた製品・サービスを提供していても、営業が数字を追求し、数字をつくらなければ、安定した経営は成り立たない。個々の営業担当のスキルはもちろん大事だが、全メンバーをチームとして束ね、会社としての目標を確実に達成していくには、営業リーダーのマネジメントが極めて重要な意味を持つ。本連載では『なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(遠藤公護著/クロスメディア・パブリッシング発行)から、内容の一部を抜粋・再編集。営業におけるKPIマネジメントの要諦とチームをまとめるリーダーシップの在り方を提示する。

 今回は、リーダーに必要なユーモアの力とエグゼクティブコーチングの役割について解説する。

ユーモアの力

なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(クロスメディア・パブリッシング)

 心理的安全性を組織や会社全体に浸透させることで、生産性向上と人材誘致を両立させたいけど、難しい…。そんな方に向けて魔法をご紹介しましょう。

 それは「ユーモア」の力です。

 口で言うほど簡単なことではありません。私自身、ユーモアの力を使うとは非常にハードルの高いものでした。しかし、ユーモアを巧みに操る経営幹部の姿を見て、憧れを抱いたのも事実です。彼らのように、ユーモアを取り入れたマネジメントスタイルを実践したい。そう強く思っていました。

 ユーモアには、チームを一体化させる力や、記憶に残りやすく信頼関係を築きやすいという利点があります。さらに、ユーモアを操るリーダーは、自信に溢れ有能に見えるという効果も期待できるそうです。

 私の経歴で印象深い人物に、ダン・ミラー氏がいます。彼とはサン・マイクロシステムズ時代とタブロー時代、2つの異なる会社で、しかも立場を変えて出会い、その度に感銘を受けました。

 サン・マイクロシステムズ時代は彼が日本法人の社長、私が平社員。2度目は彼がグローバル営業トップ、私が営業マネージャーとして再会しました。グローバルキックオフでの彼のセッションは忘れられません。