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 どんなに優れた製品・サービスを提供していても、営業が数字を追求し、数字をつくらなければ、安定した経営は成り立たない。個々の営業担当のスキルはもちろん大事だが、全メンバーをチームとして束ね、会社としての目標を確実に達成していくには、営業リーダーのマネジメントが極めて重要な意味を持つ。本連載では『なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(遠藤公護著/クロスメディア・パブリッシング発行)から、内容の一部を抜粋・再編集。営業におけるKPIマネジメントの要諦とチームをまとめるリーダーシップの在り方を提示する。

 今回は、営業リーダーの必須スキルである「フォーキャスト(予測)」について、精度を高めるための各営業ステージの管理について解説する。

フォーキャスト(予測)

なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(クロスメディア・パブリッシング)

 営業オペレーションの締めくくりとして、営業リーダーの必須スキルであるフォーキャストの重要性を解説していきましょう。

 営業リーダーの役割を極限まで突き詰めると、「四半期ごとの目標達成」と「確実な数値達成」と言えるでしょう。しかし、各リーダーのわずかな誤差が、会社全体では大きなズレに繋がる可能性もはらんでいます。そこで、フォーキャストにおける厳格なルールが設定されているのです。

■ フォーキャストの正確性

 フォーキャストの精度は、単に目標を上回れば良いというものではありません。大幅なズレは、在庫問題をはじめとする様々な歪みを生み出す要因となりかねません。そこで、予測数値からの許容範囲は、上振れ10%以内、下振れ5%以内に定めます。

■ ホッケースティックカーブ

 四半期目標達成のための売上計画において、M1(Month1)、M2(Month2)でほとんど成果を出さずにM3(Month3)に集中する方法は、ホッケースティックカーブと呼ばれ、目標未達の危険性をはらんでいます。これは、わずかな案件のズレが致命傷になりかねないためです。