万が一、SFAでのレビューを、現場を知らない社長が見づらいなどと言う場合は、現場がデータ活用にどれだけ苦労しているか、そして多額の投資をしたSFAを信じていないのではという矛盾を、やんわりと指摘しましょう。
次の図は、四半期の3ケ月をMonth1(M1)、Month2(M2)、Month3(M3)に分けたものです。大型商談案件レビューは、先ほど述べた通り、M1のWeek3に実施します。
■ レビューする事項について
SFAの項目は各社にとって重要な要素が厳選されているため、しっかりとレビューしていく必要があります。特に、「BANT情報」は必須項目です。
B(Budget:予算)については、年間予算として計上済みか、あるいは当四半期内で使用可能な予算枠があるのかを確認しましょう。
A(Authority:権限)に関しては、誰が最終決裁者なのか、そして現時点で誰まで話が通っていて、誰との面談が済んでいるのかを明確化します。
N(Needs:必要性)については、顧客が製品の必要性を認識しているか、そしてもし採用が見送られた場合、どのような影響が生じるのかを分析します。
T(Timeframe:時間)については、なぜ当四半期中の導入が必要なのか、そして導入を主張する担当者は、過去に同規模案件の発注経験があるのかを把握します。
BANT情報に加えて、競合他社の状況や、次のアクションを具体的な日付と共に明確化し、SFAの管理項目に基づいてレビューを進めていきましょう。
■ フォーマット外の例外レビューポイント
現場への負担を最小限に抑えるため、基本的にはSFAのフォーマットに従いますが、企業の命運を左右するような大型商談に関しては、次の2つの例外的なレビュー項目を追加します。
これらの項目は、SFA内のフリーコメント欄に直接記入するか、Excelなどで作成した資料を添付してください(既にSFAの管理項目に含まれている場合もあるかもしれません)。これらの追加項目は、大型商談を確実に成約に導くために、価値訴求が十分になされているか、そして時間軸通りに契約締結まで進捗できるか確認することを目的としています。