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「行動の量」を増やせない場合は、どこかにボトルネックがある。例えばセールスの仕事なら、アポ取りの電話が不足している場合。ボトルネックを解消しようと電話の量を増やすと、次には時間が足りないという問題が起こる。キーエンスで数値化を実践してきた岩田圭弘氏は、1日480分をより高付加価値な仕事に多く配分する発想が重要だという。本連載では、『数値化の魔力“最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド』(岩田圭弘著/SBクリエイティブ)から内容の一部を抜粋・再編集し、「行動の量」の記録から改善につなげる秘訣を紹介する。

 第5回は、「行動の量」のボトルネックを解消する方法を解説する。

<連載ラインアップ>
第1回 毎日の業務を数値化すると、なぜ“10倍速の成長”が可能になるのか
第2回 “会社から与えられた目標”をゴールに設定すると、なぜ未達に終わるのか
第3回 仕事の成果が低い時、「能力不足かも」と悩む前にすぐやるべきこととは?
第4回 「行動の量」を増やすことが、“根性論”にならない理由とは?
■第5回 「行動の量」を増やしても、残業が増えない発想とは?(本稿)
第6回 なぜ、「数値目標が設定しにくい業務」の数値化が重要なのか?
第7回 部下を“茹でガエル”にするマネジャーの、典型的なチームの状態の捉え方とは
第8回 数値化が苦手なマネジャーは、なぜ感情的に部下を叱るのか?

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「1日480分」のリソース配分を調整し、ボトルネックを解消する

数値化の魔力』(SBクリエイティブ)

 ここまで、「行動の量」のボトルネックを見つけるために、「行動実績」を「行動目標」、「過去の数字」、「他人の数字」と比較する3つの手法を見てきました。

 このようにしてボトルネックを見つけたら、このあとはそれを解消することで、改善をする必要があります。

 では、「行動の量」のボトルネックはどうしたら解消できるのでしょうか。

 それが、「自分のリソースの配分を調整する」ということです。

「何にどれくらい時間を割き、何を捨てるか」を決めるのです。

■480分が「付加価値を生み出せる時間」だと考える

 よく企業経営で、「戦略とはリソースの配分である」と言われます。

 経営戦略とは、限られたリソースを適切なところに配分できるかどうかの勝負であり、「資源の配分」こそが、経営がうまくいくかいかないかを決めるのです。

 これは、企業だけでなく、個人についても言えます。

 では、個人にとってのリソースとは何でしょうか。

 それが「時間」です。

 あなたが1日に働く時間は60分×8時間=480分と限られています。

 この限られた時間をいかに「付加価値の高い仕事」に集中させられるかどうかが、あなたの仕事の結果を左右します。

「行動の量」のボトルネックを解消するとは、まさにこの「1日480分という、あなたの限られた時間を何にどれくらい割いて、何をしないか」を調整する作業です。