社是「先義後利」の実践がCSVになる

 「先義後利」を社是とするJFR。グループではこれを今の言葉に言い換えると、「お客さま第一主義」「社会への貢献」ととらえ、この社是を愚直に実践することがCSV(Creating Shared Value/事業活動を通じて社会課題の解決を実現する共通価値創造)になると考えている。

 少子高齢化による市場縮小が続く中、所得の二極化により店舗・企業を支えてきた中所得者層も減少し、長期的に売り上げが低下。それを訪日外国人の売り上げでカバーしてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、それもできなくなっているのが、今の日本の百貨店だ。

 そうした中、JFRは構造改革を進めつつ、抜本的なビジネスモデル転換に取り組んでおり、JFRカードによる取り組みもその一つだが、この地域活性化の取り組みにも「先義後利」が徹底。地域とともに栄えることが重視されている。

 百貨店事業・パルコ事業が中心のグループのJFRのビジネスモデルが、デベロッパー事業により不動産業の、クレジット金融事業により金融業のウエートを増やしていっても、「先義後利」の大原則は変わらない。

 それはこれがJFRが社会に認められてきた理由であり、商号が「大丸」「松坂屋」からJ.フロント リテイリングに変わっても長い歴史の中で守り続けてきた企業の存在意義だからだ。