デジタル売上高は20年2月期の約14.3倍に

 最大の課題がDXへの対応だ。電子商取引(EC)やネットスーパーなどの「デジタル事業」の売り上げは、2020年2月期比約14.3倍となる1兆円に設定した。店舗とネットを融合させる「オムニチャネル」を推進し、「オンラインデリバリー=イオンというイメージを作っていく」(吉田社長)。セルフレジの導入やデジタル技術を活用した店舗運営の効率化を進めるほか、英ネットスーパー大手のオカドと組んで自動倉庫から食品などを自宅に直送する事業を始める。

 新型コロナウイルス感染拡大で、消費者の購買心理・行動が大きく変化している中、デジタルシフトの推進で基盤になるのが、リアル(店舗)を持つ強みの発揮。「(イオングループの)会員規模を活用しながら、新しい顧客をとっていくことが可能」(吉田社長)とみる。また、ウォルマートなどに比べデジタル化の遅れを認めつつ、「後発なりに成功事例を移植」(同)し、既存の顧客ベースに乗せることでプラスの効果が期待する。

 年間4000億~4500億円を計画する設備投資では、「デジタル・物流」への投資を全体の35%と、前中期経営計画期間の平均より19ポイント引き上げる一方、国内店舗への投資割合は71%から40%に低下させる。