「テクノロジー開発部」で店長経験者が活躍

 くら寿司が独自でロボット化、デジタル化を推進してきた背景には「テクノロジー開発部」の存在がある。

 この部署は各店舗内のシステムの構想・開発・導入・点検に至るまで、同社のシステムに関することを一気通貫で担当している。

 社会で一般化しているセルフレジなどは、基本的に外注で作成されているが、同社が独自で開発したシステムは全部で約30、試作品も含めると約50以上のシステム開発に取り組んできた。

 同部署には20~50代まで幅広い年齢の社員が在籍している。それぞれのキャリアは、数々のIT系企業を経験してきた人物、学生時代にプログラミングを習得した人物、店舗で店長経験をした後に異動してきた人物も多い。

 これらの人員構成による開発のメリットは次のようなことが挙げられる。

 まず、店舗経験のある人物が在籍することで、瞬時に店舗の状態や課題を把握して、店舗全体の課題を統括的に解決できる。

 テクノロジー開発の全てを自社内で行うことで、協力会社に委託するよりもコストが削減できるが、これによって検証実験の回数を増やすことができて、問題解決に向けたさまざまなアプローチを試すことがきる。

 そして、開発の段階から自社で行っていることで、システムの故障や問題が発生した時に、即座に対応できる。