マネジャーは逃げずに対話を

 啓発するといっても、実際はどうやってすればよいのか。人を指導・啓発した経験がほとんどない人にとっては、啓発の必要性を理解できたとしても、どうやればいいのか戸惑うかと思う。

 しかし、逃げずに啓発することがマネジャーの重要な仕事なのである。趣旨をきちんと語り、対話・議論を重ねる中で、相手にその意義を感じてもらうこと、重要性を悟らせることが、マネジャーの重要な役割であることを自覚すべきだ。

 そして、その根底には、相手に対する基本的な信頼感・期待感を抱くことが不可欠である。「話せばきっと分かってもらえる。きっといつの日かこの趣旨は伝わる」と信じて、対話に臨む必要がある。短絡的に「文句言わずにやるんだよ!」というような指示命令だけで人を動かそうとしたのではなんら啓発にはならず、相手も変わらない。「そんなことを言わなくても分かるはずだ」と希望的に思い込んで説明責任を放棄する、あるいは対話・議論を避けるのも良くない。