筆者はJMAC入社以来29年間にわたって、R&D(研究・開発)およびE(エンジニアリング)部門の現場でコンサルティング業務に携わり、多くの業界でさまざまなR&Dの現場を見てきた。

 本当に心から尊敬できる経営者・マネジャー、良きリーダーシップを発揮されている方の姿勢や行動を間近に見ることができることはコンサルタントという職業の特権のように思う。

 ただ、良きマネジメントに触れることができた一方で、現場に活力が感じられない、一人一人が成長している実感が湧かないといった良くないマネジメントも目にしてきた。さらに、その職場を預かっているマネジャーの言動に違和感を覚えることも、たびたびあった。

 コンサルタントの仕事は経営者やマネジャーにアドバイス・提言・進言するものであるため、時には"苦言"を呈することもある。良くも悪くもテンポラリーな存在として、自らの保身を第一に考えることなく、相手のことを思って、時に"耳障りの悪いこと"も言うべき役割、言いやすい立ち位置にいる。

 もちろん、コンサルティングでのアドバイスは、状況や相手の特性などを考慮し、常に個々別々なものだが、その中に普遍性の高いことや共通的なことがかなり多くあるように感じる。このコラムでは、そのように"共通的なこと"について、筆者が思うところを書いていこう。