現場の能力を高めることが最も重要

 前回の内容と合わせてまとめよう。現場マネジメントで実践すべきことは、次の3つである。

 1つ目は現場を現業で忙殺させないように、仕事の入り口での総量管理を行うことだ。現場の対応能力に見合う仕事量を保ち、「忙しいから品質が確保できない、改善ができない」という状態にしないことである。現場におかしな言い訳の理由をつくってはならない。

 2つ目は現場実態を踏まえたQCD管理である。しかし、これはマネジャーが過度に叱咤激励をしなくても、後工程(お客さま含む)がビジネス上のまっとうなプレッシャーをかけてくれるものだ。マネジャーは状況を把握し、タイムリーな意思決定や介入を行う必要がある。

 そして、3つ目は現場の能力を高めることだ。この3つ目がマネジメントでは一番重要な点である。現場の能力を高める責任は現場にあるため、現場の能力が高まるように、現場の知恵を引き出す、困らせる、考えさせることが、マネジメントの重要な役割である。組織が継続的に成果を出していけるよう、中長期的に能力を向上させていく責任が現場にはある。

コンサルタント 塚松一也 (つかまつ かずや)

R&Dコンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント

イノベーションの支援、ナレッジマネジメント、プロジェクトマネジメントなどの改善を支援。変えることに本気なクライアントのセコンドとしてじっくりと変革を促すコンサルティングスタイル。
ていねいな説明、わかりやすい資料をこころがけている。
幅広い業界での支援実績多数。