老後資金の準備は仕事が主、投資が従です。現役世代が働きながら収入を得る一方で資産づくりに取り組むことができるのが、投資のメリットのひとつ。ここでは、つみたてNISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)を最大限に活用することが基本になります。

(5)すべての準備を整えたうえで抗議の声をあげる

 報告書を最後まで読んで、老後資金の棚卸し試算をやって、収入拡大・維持の方向性も決める、つみたてNISAやiDeCoでの資産運用も始めた(続けている)――そうしたら国や政府への抗議の声をあげましょう。デモに参加してもいいし、SNSで活発な書き込みをしてもいい。

 老後資金は人生を最後まで楽しむためのものです。多くの人は資産運用そのものが目的ではないので、投資にあたっては合理性を追求することが成功の可能性を高めます。具体的には収入の拡大・維持に努めながら、「長期」「分散」「低コスト」を徹底した資産運用です。金融機関は豊かで充実した生活を送るための道具ととらえ、低コスト志向の“儲からない客”になってトコトン利用しましょう。

 最も非合理な行動は、国や政府への非難・抗議の声をあげて何もしないこと。かの報告書が撤回されようが政権が変わろうが、老後は時々刻々と近づき、世界の投資市場は24時間いつも動いています。人は感情で動く生き物ですが、こと現在の資産運用に関してはいつも以上に冷静かつ合理的に行動することを心がけたいですね。