トランプ・麻生会談で何が話されたか

 トランプ氏は麻生氏との会談直前、自身が立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」にこう投稿している。

「円安は大惨事だ。米国の製造業にとって輸出の競争力が低下した」

Trump Blames Biden For Strong Dollar—As US Currency Reaches New High Against Japanese Yen

 バイデン氏が岸田氏には言わなかった(?)円安ドル高の是正を麻生氏にストレートに促したことは十分想像できる。

 またトランプ氏は、「持論」でもある在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の増額や貿易赤字の削減などを要求したはずだ。

トランプ氏の対日認識は1980年代からの「ただ乗り論」から少しも変わっていない)

「もしトラ」が実現すれば、トランプ政権は厳しい姿勢で臨むことは、これまで専門家たちが予想してきた。

 トランプ氏に「表敬」とか「顔つなぎ」などは通用しない。実利主義者だ。それを「パイプ作り」にのこのこやって来た麻生氏は再確認したに違いない。

 ワシントンのシンクタンク上級研究員H氏は、辛辣なコメントをする。

「トランプ氏は再選されるまでには4つの刑事裁判を抱えており、日米関係について事細かに考える暇などない」

「外交であれば、選挙民やメディアが飛びつくホットポテト(厄介な問題)しか関心はない」

「麻生氏が会いたいというなら選挙に利用できるアジェンダをぶつけて、俺はこう外国に要求したと、SNSでアピールするだけだ」

 これはどうやら成功したようである。