やる気が起きないのは男性ホルモンが減少しているからかもしれない(写真:beauty_box/イメージマート)

なんとなくだるい、寝起きが悪い、やる気が起きない。健康診断では取り立てて異常はないのに、ぼんやりとした不調が続く——。「それは、もしかしたら男性更年期障害かもしれません」と警鐘を鳴らすのは順天堂大学浦安病院教授で、Dクリニック東京のメンズヘルス外来でも診察をおこなう辻村晃医師だ。そのままにしておくと、記憶力の低下、動悸・息切れ、EDといった症状が出ることもあるという。男性更年期障害の症状や治療法の一つであるテストステロン療法を紹介する。

(森 祐一:フリーライター・編集者)

男性ホルモンは20歳から30歳をピークに減少

——更年期障害といえば女性のイメージが強いのですが、男性もなるのですか。

辻村晃(以下、辻村):まだ認知度は低いかもしれませんが男性にも更年期障害があります。女性の場合、閉経とともに女性ホルモンの分泌が急激に減少するので分かりやすいのですが、男性の場合、20~30歳をピークになだらかに男性ホルモンが減っていき、それに伴って疲れやすくなったりやる気が減少したりといった症状が表れます。

 一般的に男性ホルモンと呼ばれているものは、イコールでテストステロンと考えてもらって差し支えありません。男性ホルモンには大きく分けて精巣(睾丸)で作られるものと腎臓の上にある副腎という臓器で作られるものの2種類があります。

 精巣で作られるものがテストステロンで、体内で作られる男性ホルモンの95%が、このテストステロンだといわれています。残りの5%が副腎で作られるデヒドロエピアンドロステロンやアンドロステンジオンという男性ホルモンです。

 メカニズムとしては、様々なホルモンの働きをコントロールしている脳の下垂体から精子の形成を促進する性腺刺激ホルモンが精巣に分泌されると、精巣でテストステロンが作られる仕組みになっています。

——テストステロンの役割を教えてください。