F-16による支援がないなかでの反転攻勢には大きな問題点があった(写真は2023年12月20日撮影の米空軍F-16戦闘機、米空軍のサイトより)

 2023年6月に始まったウクライナ軍の反転攻勢は、ロシア軍の3線防御を突破できなかった。

 計画では、表面土壌が泥濘化する前に防御ラインを突破し、アゾフ海への進出を、少なくともその地への進出の足掛かりまでは、達成したかったと思われる。

 現実には、南部戦線の一部で第2防御ラインにたどり着き、突破の穴を開けようとするところまでだった。

 反転攻勢から4か月が過ぎ、10月からロシア軍は東部と北部の戦線で損害を厭わない猛攻をしかけてきた。

 ウクライナ軍は、防御線陣地の一部を侵食されているところもあるが、ロシア軍の猛攻を受け止めている。

 南部戦線でも、攻勢を止め防勢に転移した。

 へルソンの西部戦線では、ドニプロ川の東岸にとりついたウクライナ軍が、ロシア軍の執拗な攻撃を受けてはいるが、対岸に橋頭堡を作る足掛かりを確保している。

 ウクライナ軍の防勢への転移は、悪い要素ばかりではない。

 敵が大量の兵力で攻撃してくれば、防勢に転移して、待ち受けの利を使い敵戦力を減殺することも必要な作戦戦術なのである。

 戦略持久・戦略的防勢転移と言ってもよい。

 では、このような戦闘推移におけるウクライナ軍は、何を企図しているのか、その企図を達成しようとする具体的な取り組みを行っているのか、今後の戦況を予想する。