ロシア空軍のSu-34(Toshiro Aoki, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

 12月22日、ウクライナ南部のロシア軍占領地域上空において、ロシアの最新戦闘爆撃機Su-34が一気に3機もウクライナ軍に撃墜されました。さらに、3日後の25日にも1機のSu-34がマリウポリ方面で、1機のSu-30SMが黒海上空で撃墜されました。

 撃墜された5機は、いずれもSu-27系統の新鋭機で、ロシア軍にとっては極めて大きな損害です。この損害を受け、現在、ロシア軍機はウクライナ南部における活動を低下させています。兵力不足により、苦しい状況が続いていると伝えられていたウクライナ軍にとっては、この上ない朗報でしょう。

 12月22日にSu-34が3機連続して撃墜されたことは、5月13日に、ロシアブリャンスク上空でSu-34を含む複数機が一気に撃墜された事例を思い出させます。実際、その時と同様に、今回も地対空ミサイル(SAM)のパトリオットを前線近くまで進出させ、ロシア軍機を待ち伏せした結果でした。

 同日に、日本で生産したパトリオット弾をアメリカに輸出することが可能となっており、保有弾に余裕のできたアメリカが、パトリオット弾をウクライナに供与することができるようになっています。まるで、政治的効果を狙ったような戦果にも見えますが、そういった狙いだけでは、これだけ短期間にこれだけの戦果が続くことはないはずです。

 本稿では、短期間にこれだけのロシア軍の新鋭機が撃墜される結果となった原因について、比較的情報の多い12月22日のパトリオットによる攻撃を中心に、考察してみたいと思います。