(写真:VCG/アフロ)

 香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、2023年10月の世界スマートフォン販売台数は前年同月比で5%増加し、2年3カ月ぶりにプラス成長に転じた。

新興国市場の回復やHuaweiの復活

 (1)インドや中東地域など新興国市場の回復や、(2)中国における中国・華為技術(ファーウェイ、Huawei)の復活、(3)米アップルが23年9月に発売した「iPhone 15」、などが市場をけん引した。スマホの月間販売台数は、22年1月以降の最高を更新した。一方で、スマホの普及率が比較的高い先進国市場では回復が遅れている。

 世界のスマホ販売は、不確実なマクロ経済環境によって悪化し、過去2年以上にわたり、マイナス成長が続いていた。買い替えサイクルの長期化と、それに伴う在庫の積み上がりのほか、部品不足といった問題にも直面していた。

 しかし、23年10月は力強い伸びを示した。9月下旬にアップルがiPhone 15シリーズを発売したことも市場成長に寄与した。「22年に比べて発売が1週間遅れたことは、新端末の販売効果が10月に全面的に反映されたことを意味する」とカウンターポイントは指摘する。

 世界スマホ市場は23年10~12月期も好調に推移するとカウンターポイントはみている。「市場は今後数四半期、緩やかな回復に向かう」(同社)という。

 カウンターポイントの別のリポートによると、23年7~9月期の世界スマホ市場におけるメーカー別販売台数シェアは、韓国サムスン電子が20%で首位。アップルが16%で2位となり、この後、中国・小米(シャオミ)の12%、中国OPPO(オッポ)の10%、中国vivo(ビボ)の8%と続いた。