米国の雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)の政策金利を決める判断材料にもなっている(写真:ロイター/アフロ)
  • 米国の就業者数や失業など雇用情勢を示す「米国雇用統計」が12月8日に発表されます。
  • 市場関係者がかたずをのんでその発表を待つ、世界で最も注目される経済指標の1つです。
  • そもそも「米国雇用統計」は何が発表され、なぜ世界が注目するのでしょうか。やさしく解説します。(JBpress)

「米国雇用統計」はいつ、何が発表される?

「米国雇用統計」は米国の労働者の雇用状況を調査した統計で、米労働省が基本的に毎月第1金曜日の日本時間午後10時半(夏時間では午後9時半)に発表しています。その発表を市場関係者がかたずをのんで待つと言われ、多くのメディアが速報として発表内容を伝えます。

バイデン米大統領が9月の雇用統計めぐり演説(写真:AP/アフロ)

 発表される項目は「失業率」「平均時給」「非農業部門雇用者数」「週労働時間」など大きく10数項目で、毎月12日を含む週のデータが集計されています。12日の週の金曜日から3週間後の金曜日に発表するのが基本で、多くの場合が翌月の第1金曜日に当たります。ただし、今年の12月のようにカレンダーによっては第2金曜日になる場合もあります。

 米国は日本より転職や解雇など雇用に関連する動きが大きく、1カ月間でも就業者数や失業率に変化があります。中でも注目されるのが「非農業部門雇用者数」と「失業率」です。

(出所:米労働省のデータを元にJBpressが作成)

「非農業部門雇用者数」は民間企業や政府機関など農業以外の分野で働く人の数を集計し、前月の就業者数に対する増減で判断されます。また「失業率」は働く意欲のある人のうち職に就けず失業している人の割合を表します。ニュースでは最も一般的な定義の数値が伝えられますが、実際には「フルタイムで働きたいがパートタイムで働いている人」など複数の「失業率」の定義による数値が公表されています。