「米国雇用統計」、なぜ世界が注目?

「お金をもらって働く人が増えれば、消費に回るお金が増えて景気が良くなる」というのが雇用と景気の基本的な考え方です。米国の国内総生産(GDP)のうち個人消費は約7割と日本(約5割)などより高く、消費の基礎となる雇用情勢がより重要になります。

 また世界のGDPのうち米国は2割以上を占めます。そのため、米国の景気は直ちに世界中に波及するため、「米国雇用統計」は世界景気の先行指標として注目されているのです。

2008年9月のリーマン・ショック。多くの従業員が解雇された(写真:ロイター/アフロ)

 例えば「100年に1度の大不況」と言われる「リーマン・ショック」時の「非農業部門雇用者数」を見ると、2007年には毎月10万人前後増えていましたが、2008年に入り減少に転じ、大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻した2008年9月には45万人減少しました。

 その後も2009年にかけて毎月70万人前後の減少が続きました。「失業率」は2008年前半まで5%程度でしたが、2009年以降10%近くまで上昇して推移しました。