11月15日、米カリフォルニア州のフィロリ邸で中国の習近平国家主席と握手するジョー・バイデン大統領11月15日、米カリフォルニア州のフィロリ邸で中国の習近平国家主席と握手するジョー・バイデン大統領(写真:ロイター/アフロ)

会談は無難な挨拶から

 富士山は、静岡県側から登るのと、山梨県側から登るのとでは、景色がまるで異なるものだ。

 そんなことを思わせる会談が、アメリカ西海岸時間の11月15日(日本時間16日午前)に開かれた。サンフランシスコから南へ約40km行った庄園「フィロリ邸」で、昼食を挟んで約4時間にわたって行われた、ジョー・バイデン大統領と習近平国家主席による米中首脳会談だ。

 この両雄が対面するのは、昨年11月14日のインドネシア・バリ島会談以来、2回目のことだ。

 バイデン大統領は右手にアントニー・ブリンケン国務長官以下5人、左手にジャネット・イエレン財務長官以下5人を従えていた。一方の習近平主席は、右手に蔡奇党常務委員兼中央弁公庁主任以下4人、左手に王毅党中央政治局委員兼党中央外交工作委員会弁公室主任兼外相以下5人を従えていた。

 冒頭、互いに比較的無難な挨拶から始まった。

バイデン大統領「(習近平)国家主席に再び会えて嬉しい。この10年か12年、私たちは多くの時間をともに過ごしてきた。そして特に今日の首脳会談と、今週のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に関連して、アメリカにあなたを招いたことは、大きな栄誉であり喜びだ。

 見てほしい。今年のこの時のことを。1年と1日前、私たちはG20(主要国・地域)首脳会談の時、バリ島で会った。それ以来、私たちのチームのキーメンバーたちは、両国と世界に対する重要な議論を重ねてきたのだ……」