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 ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に87歳で死去)による性加害問題の余波が拡大一途を辿る中、同事務所が10月2日に開く記者会見で何が発表されるのか――テレビ業界から注目が高まっている。

 東山紀之氏(56)の新社長就任が発表された9月7日の記者会見では、前社長の藤島ジュリー景子氏(57)が代表権のある取締役に就いたことも発表され、世間を驚かせた。また、史上最悪級の性加害問題を起こしたジャニー氏の名前を社名に残したことから大顰蹙を買った。

 今回の会見はその仕切り直し、社名変更と会社の分社化が発表される見通しだ。性加害の被害者の救済を図る会社とタレントたちの所属会社を分けると見られている。

 この“改革”によってジャニーズ事務所は蘇るとの論調が芸能マスコミの一部に見受けられる。果たして本当だろうか。

「社名変更」「分社化」だけではCM出稿企業の態度は変わらず

 同事務所のタレントをCMに起用してきた企業の見方はまるで違う。広告代理店社員によると、社名変更と分社化によって企業が同事務所との関係を再び見直す動きは見られないという。

 前回の会見後、同事務所のタレントとのCM契約を打ち切ったり、契約更新しないことを決めたりした企業は少なくとも19社。日産自動車、日本航空、日本生命、東京海上日動火災、明治ホールディングス(以下、HD)、サントリーHD、アサヒグループHD、キリンHD、花王などであり、多くが大資本のナショナルスポンサー(全国を対象に宣伝活動を行う広告主)だった。

 なぜ、これらの企業は社名変更と会社の分社化では動かないのか。広告代理店社員が解説する。