(英フィナンシャル・タイムズ紙 2023年8月19・20日付)

遊園地に行くとその国の豊かさが分かる?

 海外で過ごした良い休暇はよく、「なぜ我々は自国でこんなふうに物事をやらないのか」という疑問を呼び起こす。

 今年、筆者はこの考えで頭がいっぱいになった。

 休暇でドイツ(アルプスとシュバルツバルト)へ行き、どこに目を向けても、かすかな妬みを覚えた。

 アルプスでは、ファルチャントという村(人口3601人)が50メートルのスイミングプールとダイビング用プール、子供用のプール、それに数々の滑り台を誇っていた。

 フライブルクの設備の整ったトラムや歩きやすい石畳の道路、活気に満ちた小売りシーンについては先日のコラムで書いた。

ドイツの小さな村の豊かさ

 そしてジェットコースターがある。

 息子がそのフェーズを経ているため、筆者はイングランドの「アルトン・タワーズ」とドイツの「ヨーロッパ・パーク」を立て続けに訪れた。

 比較すると、アルトン・タワーズは窮屈でみすぼらしく見え、じめじめした月曜でさえ長い行列ができる。

 そしてアルトン・タワーズは、法外な値段でこうした行列を飛ばす権利を売っている。

 行列飛ばしをマネタイズする概念はドイツ人には思い浮かばなかったようで、ヨーロッパ・パークでは駐車場が便利なところにあり、行列が比較的短く、楽しめるような仕組みになっていた。

 隣のウォーターパーク「ルランティカ」は、筆者が見たことがある英国のどんなウォーターパークよりも格段に快適だった。

 実に壮大で、掃除が行き届いており、楽しい。