今年か来年に最高気温を更新する可能性大

 それでは、日本の最高気温はどこまで上昇するのだろうか?

 長期的な年平均気温の変化を見ると、日本は100年あたり1.30℃の割合で上昇している。地球温暖化が進み、世界的に地球環境が悪化することが懸念されている。特に1990年代以降、高温となる年が頻出している*5

 これは、世界の年平均気温の上昇(100年あたり0.74℃の割合)に比べると高い水準だ。平均気温の点では、日本の上昇ペースが世界全体のペースを上回っているといえる*6

 年平均気温の上昇が、最高気温の上昇にもつながっていくと考えれば、今後の国内最高気温の更新は避けられないかもしれない。

 ちなみに、最高気温の更新は、2018年7月23日(埼玉県熊谷市41.1℃)の前は、2013年8月12日(高知県四万十市江川崎41.0℃)に起きている。その前は、2007年8月16日(岐阜県多治見市40.9℃)に起こった*4

 つまり、最近は5~6年に一度、最高気温の更新が起こっていることになる。この更新が繰り返されると考えれば、2018年から5~6年経過となる今年か来年あたりに、次の最高気温の更新が起こるということになるかもしれない。

 最高気温の更新がどうなるかは気になるところだが、たとえ更新されなくても、酷暑が続くことに変わりはない。夏場の熱中症対策は欠かせない。毎日報じられる各地の高温のニュースに注意しながら、しっかりと水分補給や冷房などの熱中症対策を続けていく──そんな夏の過ごし方が当たり前になっている。


【出典・参考資料】
*1:“Climate Change 2021─The Physical Science Basis”(IPCC WG1, AR6/2021年8月9日)
*2:【日本気象協会 暑さに関する名称について気象予報士130名にアンケート調査を実施 最高気温40℃以上は「酷暑日」、夜間の最低気温30℃以上は「超熱帯夜」に】(日本気象協会/2022年8月22日)
*3:「2023年の気温傾向と熱中症傾向」(日本気象協会/2023年6月29日更新)
*4:「歴代全国ランキング」(気象庁ホームページ/2023年7月20日時点)
*5:「日本の年平均気温」(気象庁ホームページ/2023年7月20日時点)
*6:「世界の年平均気温」(気象庁ホームページ/2023年7月20日時点)