日本の酷暑は世界に比べればまだまし?

 こうして世界の酷暑を見ていくと、日本の暑さはまだましなほうと言えるかもしれない。日本は四方を海に囲まれており、猛烈な気温上昇が起こる広大な内陸地域がないことが“救い”となっている。

 ただ、そうは言っても日本でも近年、酷暑の程度は増している。昨年、日本気象協会は最高気温が40℃以上の日を「酷暑日」(気象用語では、35℃以上は「猛暑日」)、最低気温が30℃以上の夜を「超熱帯夜」(同25℃以上の夜は「熱帯夜」)と呼称すると発表した*2

 この発表によると、これまで国内で 40℃以上を観測したのは、1875 年の統計開始から 32 地点で計 67 回。そのうち2001年以降の約20年で59回と、9割近くを占めている。2022 年には群馬県伊勢崎市で6月中に40℃以上を観測しており、全国初の出来事となった。

 今年は、暑い日が続いているが、これまで(7月20日時点)のところ、まだ酷暑日は発生していない。しかし、梅雨明け後はさらなる気温上昇となる可能性があり、注意が必要だ。

梅雨明けでさらに気温が上昇する恐れあり(写真:つのだよしお/アフロ)

 日本気象協会が6月に公表した「2023年の気温傾向と熱中症傾向」によれば、「7月から8月は、東北南部から沖縄で『厳重警戒』ランクの所が多い見込み。9月は東北南部や関東甲信の内陸部、東海から沖縄で広く『警戒』ランクになるかもしれない」とのことだ*3

 気象庁のホームページによれば、日本で観測された最高気温のトップは、2018年7月23日の埼玉県熊谷市と2020年8月17日の静岡県浜松市の41.1℃とされている。日本に猛烈な熱波が襲来すれば、この最高気温の更新もあり得るかもしれない*4