ロシアのウクライナ侵攻以降、筆者はウクライナと近隣諸国の取材を行ってきた。現在は、ダム破壊の影響で洪水が発生したウクライナ・ヘルソン州で取材を続けているが、6月16日13時頃(現地時間)、そのヘルソン市の住宅街にロシアによる砲撃があり数か所に着弾した。筆者がいた場所からわずか1ブロック先であった。そこで何が起きたか、写真とともにお伝えする。(写真はすべて筆者撮影)

(小峯 弘四郎:カメラマン)

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昼食のメニューを広げたところ爆発音が

 今回の砲撃では市内数か所に着弾、6人が負傷したと伝えられている。カホフカダムの決壊により洪水の被害に苦しんでいるヘルソンだが、そんな中でも砲撃はずっと続いている。

 筆者は、現地で長期取材を続けている友人の日本人ジャーナリストと昼食をとるために、市内のレストランで合流したところだった。テーブルに座り、メニューを見ていると、「ドガーン」という低い音の直後に「シュッ」という音が続き、その後に大きい地鳴りのような音が響いた。

 現地では、ロシア軍、ウクライナ軍双方が相手を攻撃している。最初にウクライナに来た2022年4月、知り合いになったウクライナ人の兵士から、どちらがどちらを砲撃しているのか、その見分け方(聞き分け方)について教えてもらった。我が身を守るためには非常に重要だからだ。

 ドガーンという低い音の後に、シュッという何かが風を切るような音が続いた場合、発射されたミサイルがこちらに向かってくる(ロシア側による攻撃である)可能性があり、近くに着弾することも考えて行動した方がいいという。一方、ドガーンという低い音が大きく聞こえ、その後に何も音が続かなければ、ウクライナ側からの攻撃の可能性が高いとのことだった。

 今回は、「ドガーン」の後に「シュッ」と続いて、しかも大きな地鳴りがあったわけだから、近くに砲弾が落ちたとすぐに気が付いた。案の定、数人の通行人が店に駆け込んできた。

 すぐさまメニューを閉じ、カメラを手に現場に向かった。音もかなり大きかったので近くに着弾したと思ってはいたが、そこはレストランからわずか1ブロック先であった。

【注意】次ページから写真が続きますが、血痕などが写っているものも含まれます