1日の乗客1000人を切ると危険水域

吉田:富山地方鉄道の例ですが、有名デザイナーがデザインした車両を導入しようかという議論が起こったことがあったそうです。けれども、それがどれほどの集客に結びつくのか想定が難しい。

 であれば、突飛なことはせずに、定期列車の中にも組み込めるような車両を製作しようという考えに至ったのだそうです。慌てて集客活動をする必要もなくなるわけです。

 イベント開催の収益性というのは目に見えづらいですから、そこへの過度な傾注は避けるのが賢明という考え方です。

 幸い、当社の沿線には鉄道を支えようと考える人が多く住んでおり、鉄道を残せる環境が整っていました。

 それでは全国のローカル線についてはどうなのか?ということになるのですが、きっとどの路線にも、収益に結びつけることができる材料があるはずです。まず、そこから手をつけて、できることから始めるべきなのかなと思います。

 どの鉄道の沿線にも学校などの公共的な施設や、観光客が訪れるスポット、公園などがあるだろうから、その施設の利用者にとって使いやすい鉄道となるよう仕組み作りを進めてゆくということです。

 これは一刻も早く着手しなければいけません。鉄道は1日の乗車人員が1000人を切るようになると路線の維持が厳しくなります。少子化が進む中で、「まだ大丈夫」とたかをくくっていると手遅れになると思います。