将棋会館 写真=アフロ

(田丸 昇:棋士)

「東日本大震災」から今年で12年

 2011年3月11日14時46分。宮城県・牡鹿半島の南東沖130キロを震源地とする「東北地方太平洋沖地震」が発生した。地震の規模はマグニチュード9.0(地震エネルギーは1995年の阪神淡路大震災の350倍以上とのこと)と世界最大級で、東北地方から関東地方にかけての広い範囲で震度7から5までの強い揺れを観測した。

 その影響で大津波や火災などが起き、死者と行方不明者は合わせて1万8000人以上になった。また、福島の第一原子力発電所の事故によって、現在もその周辺の地域は深刻な事態がまだ続いている。

 あの「東日本大震災」から今年で12年たち、復興はだいぶ進んでいるようだ。しかし、放射線で生じた汚染水の海洋放出については風評被害が懸念されるなど、多くの問題はまだ残っている。大震災がもたらした惨禍を忘れてはならないと思う。

 将棋界も大地震の影響を受けた。当時の状況を振り返ってみる。