私は第18回共産党大会を、北京の人民大会堂で取材した際、共産党序列7位に選ばれた張高麗を、初めて間近で見た。その時、まるでロボットのような男だと思った。顔は、山口那津男公明党代表にソックリ。ただ髪を不自然な黒色に塗り固め、まるで表情というものがないのだ。

不適切な関係を暴露された副首相時代の張高麗。まさに「ロボット然」としている。2015年6月には訪中した麻生太郎副総理(当時)とも会談している(写真:新華社/アフロ)

 なぜこの男が、習近平新体制でトップ7に上り詰めたのか? 当時、北京でこんな話を聞いた。

「張高麗は『無能な政治家』だが、ひたすら江沢民総書記一派に、広東省の石油利権を与え続けて出世した。それでトップ7の最後の7番目が決まらなかった時に、江沢民一派が推薦したのだ。張はまた、引退後に晩年を深圳で過ごした習仲勲副首相の面倒もよく見たので、息子の習近平新総書記としても、異論はなかった」

 張高麗は、2017年10月の第19回中国共産党大会で、政界を引退。以後は名前が登場することもなかった。今年7月1日に行われた共産党成立100周年大会で、久々に「能面のような姿」が、天安門の楼台で確認された。

名実ともに中国のトッププレーヤー

 一方の彭帥は、1986年生まれ。8歳で本格的にテニスを始め、2002年に将来の中国代表候補としてアメリカに送られた。2005年には世界ランキング31位になる。

 2009年の中国選手権で、女子シングルス、ダブルス、混合ダブルス、団体の4冠王となり、名実ともに中国のトップ選手となった。1m73cmの長身から繰り出す高速サーブを受けられる選手は、当時の中国国内にはいなかった。

 2011年のUSオープンでベスト16に入りし、世界ランク20位。2014年のUSオープンではベスト4に入り、世界ランク14位になった。女子ダブルスでは世界ランク1位も経験している。だが最近は、年齢に加えて、腰や膝の手術などで、力の衰えが目立っていた。

 このように、40歳も年が離れ、しかも「住む世界」もまるで異なる二人に、一体何があったのか? 以下、彭帥が11月2日深夜に「つぶやいた」全文を翻訳する。