日本の半導体産業を崩壊に導いた日米半導体協定を中国は反面教師としている

 WWI(World War 1、第1次世界大戦)では鉄、WWII(第2次世界大戦)では石油が戦争の帰趨を決める戦略物資だったと言えよう。

 今後起こるかもしれないWWIII(第3次世界大戦)は先端半導体の技術と生産力を持つ国や国家群が勝利するであろう。

日本の没落とその教訓

 日本は1980年代半導体の世界シェアの約半数を握る半導体王国だった。

 しかしそれが米国の警戒心を招き、安全保障を米国に依存しているため、日米半導体協議で米側に押し切られ、半導体の直接の対米輸出はできなくなり、競争力も低下した。

 今ではメモリー半導体などを主にシェアは世界の生産量の1割程度に低下している。

 半導体の材料供給と製造設備・機器のシェアはいまだに世界の半数近くを維持しているが、国産半導体の生産能力は失われたに等しい。

 設計は米国が独占し、製造は台湾、韓国、中国、欧州に分有されている。

 日本の没落の原因は、日米半導体協議での屈服、長期研究開発・製造設備への投資の欠如、国内需要の低迷、業界の縦割りと個別企業頼みの開発生産態勢に依存し特定分野に特化する戦略を採れなかったこと、産業政策・戦略の不在などか挙げられている。

 しかし、その多くの要因克服は、後述するように、軍需の掘り起こしで回復は可能と思われる。

 なぜなら欧米も中露も韓国、台湾も兵器の国産化を進めており、それを支える先端半導体産業を育成することに国を挙げて注力しており、それが民生分野での強み、さらには経済全般の底上げにもつながってきたためである。

 日本は戦後、占領軍の指令により航空機、造船、ミサイル、原子力などの軍需産業およびそれに関連した軍事研究開発を占領下で禁じられ、その後遺症は今でも大型ジェットエンジンの開発の遅れや日本学術会議の軍事研究拒否姿勢などに遺っている。