レトルト粥の上手な活用法

 現在、レトルトパックや電子レンジで温めるタイプ、フリーズドライなど、簡単に食べられる様々なお粥が売られている。調理に時間を取られることなく簡単に食べられて便利だが、「食べても物足りない」、「すぐにお腹がすく」と感じることがある。あるレトルト粥の販売メーカーによると、高齢者の日常食や体調不良時、非常食、ダイエット、初期の離乳食など様々なシーンに対応できるように水分量の多い10倍粥に設計してあるそうだ。前述したように、発熱時などは結構なエネルギーを必要とする。具合が悪いから、すぐ食べられるレトルト粥にすると、カロリー不足でなかなか回復しないということにならないだろうか。

「急な体調不良で数日間食べることは問題ないと思いますが、習慣的に食べているとエネルギー量が足りなくなり、体重減少につながると考えられます。高齢者や病気の人が全粥を食べられる状態なのに、手軽だからとレトルト等の10倍粥を選んでしまうと、栄養不足に陥ることもあるかもしれません。お粥は全般的に炊いたご飯よりもエネルギー量が少ないことを念頭に入れておいていただきたいと思います。

 しかし、お粥を自分で作るとなると時間も手間もかかります。そこでレトルトのお粥に自宅で炊いたご飯を足したり、ごま油などオイルを加えたりするなど、アレンジしてエネルギー量をアップするといいでしょう。一方でレトルト粥は味やトッピングの種類が多いので、自分の好みに合わせて食べ飽きないように買い置きすることもできます。長期保存が可能ですから、普段から急病や災害に備えて備蓄しておくとよいと思います」(大塚さん)

普段の生活にも取り入れたいお粥

 病中にはカロリー不足に気をつけたいお粥だが、カロリーの低さと消化の良さは普段から生かせる。冬はクリスマスやお正月など、おいしいものを食べる機会が増えて、うっかり食べ過ぎ・飲み過ぎになることも多い。そんな時、翌日の食事をお粥にして胃腸をいたわりたい。大塚さんは「楽しむときはしっかり楽しんで、後からやさしくエネルギー量の少ないお粥で調整するのもいいと思います」と話す。

 大塚さんが栄養相談でお粥食を提案したケースを紹介してもらった。健康診断で肥満と診断されていた60代の男性が、減量を目指して月に一度、薬局に来て栄養相談を受け、半年で目標体重まで減らすことができた。大塚さんが1カ月ごとの体重変化を評価すると激減した月があり、聞いてみると歯のトラブルがあって思うように食べられなくなったという。そこで、病院での血液検査の結果を見せてもらうとLDLコレステロールが急上昇していた。