日本の反中意識の高まりに驚愕

社長:この頃は確かに、いろんなところで両国の逆転現象が起きているね。私が取り扱っている電機製品も、いまや中国製の方が日本製よりも性能がいい。携帯電話なんか完全に逆転してしまった。日本人はファーウェイについて悪く言う人が多いけど、ファーウェイ製品のレベルなんか、いまの日本企業ではとても作れない。

 それから、両国の逆転と言えば、物価だね。いまや日用品から食品まで、東京よりも上海の方が高い。もちろん不動産もだ。5年くらい前から、上海から東京に降り立つと、「田舎にやって来たな」と感じるようになった。

記者:ただ、この一年は、日本人の「反中感情」の高まりもひしひしと感じたわ。昨年までは、年間1000万人近い中国人観光客が来日したりして、東京のどこを歩いていても中国語が聞こえてきたので、あまり外国に住んでいるという実感がなかった。

 でも今年は、中国人観光客も消え、政治的にも両国は対立した。先月、「言論NPO」が発表した世論調査で、中国に「良くない」印象を持つ日本人が、前年比5ポイント増の89.7%! 私の肌感覚では、6割くらいかなと思っていたので、9割もの日本人が「反中」という結果には、大きなショックを受けたわ。

社長:日本は、アジアの富裕層の移民受け入れを、真剣に考えた方がいい。何より所得税が高すぎるし、永住を考えた時に、5年で全財産の半分が税金で持って行かれることになる。そんな国に、誰が住みたいと思うかい?

運転手:私は富裕層ではないけれど、日本でマジメに働き、きちんと税金も払っている中国人だって大勢いる。日本人には、そのことも理解してほしいね。