プロアスリートが取り組む社会貢献が日本でも注目を集めつつある。東京五輪を控えスポンサーアクティベーションはより脚光を浴び、アスリート自身も自身の影響力を世の中に還元する活動を積極的に行う。スポーツが違った形で私たちの生活に近づき始めている。
「より多くの人が野球によって救われる社会を作る」ことを目指すベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)はそのひとつ。年末には、ホークス・和田毅や千賀滉大、イーグルスの則本昂大ら球界を代表する選手たちとイベントを開催した。そのイベントについてBLF代表の岡田真理氏による寄稿。プロアスリートはチャリティをどう考えているのか。

イベントによって選手が勇気づけられる

 プロ野球のオフには多くのファン交流イベントやトークショーなどが開催されているが、毎年12月に行われる『BLFチャリティートーク』は趣旨が少々異なる。

 このイベントに集まったのは、福岡ソフトバンクホークスの和田毅と千賀滉大、東北楽天ゴールデンイーグルスの館山昌平(コーチ)と則本昂大、東京ヤクルトスワローズの畠山和洋(コーチ)、そしてオリックス・バファローズの吉田正尚の6人。

 世代も球団もバラバラの彼らが集まった目的は“ファンドレイジング(寄付集め)”だ。

 私は2014年にNPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)を立ち上げた。「野球によって人生が救われた」「野球に助けられた・励まされた」という人を増やすこと。それを実現させるために、野球を通した慈善活動をプロ野球選手・球団とともに推進していくこと。

 メジャーリーグ取材を通じて感じた「社会のなかにある野球の力」を、日本でも実現したいと思ったからだ。

 以来、多くのプロ野球選手が協力をしてくれている。今回集まった豪華なメンバーも、野球の力、そして自らの人気や知名度を活かし、トークショーやフォトセッションで寄付を集め、それを社会に役立てることに賛同してくれた。

 このイベントでのファンドレイジングは、①イベントのチケット代の一部(6500円のうち2000円)、②フォトセッションブースに設置した募金箱への寄付、③登録数50万人超の野球YouTubeチャンネル『トクサンTV』(イベントの一部を収録)で紹介するオンライン寄付ページの3つの方法で行う。

 集まった寄付は全額、日本財団『夢の奨学金』を通じて、児童養護施設や里親家庭など社会的養護のもとで育った子供たちが進学する際の学費や生活費に充てられる。

 BLFとともにこのイベントを企画したホークスの和田は、第1回(2018年12月)を振り返り「純粋に楽しかった」と語る。

「僕は2018年シーズン一度も1軍で投げることができなかったんですけど、そんな中でイベントに出演して、ファンの方々から『頑張って』と声を掛けられて、絶対に復活したいという思いが一層強くなりました。目的はチャリティーでしたけど、このイベントで僕自身がたくさん励ましてもらえたので、『次は胸を張ってこのイベントに戻って来られるように』と2019年シーズンはさらに頑張れました」