放射性物質止める時期、「数か月後が一つの目標」 細野補佐官

福島第一原子力発電所2号機のピットから流出していた高濃度放射能に汚染された水〔AFPBB News

 A: 「東京電力は、流出を止めるための対策を行う一方、汚染水が流れ込んでいる2号機の取水口付近の海水を採取して放射性物質の種類や濃度などを詳しく調べていました」

 「その結果、4月2日午前11時50分に採取された水から、ヨウ素131が1cc当たり30万ベクレルと、国の基準の750万倍という極めて高い濃度で検出されました」

 B: 「東京電力は4日、東日本大震災で被災した福島第一原発の施設内にある、低レベルの放射性汚染水計1万1500トンを海へ放出すると発表した」

 「東電によると放出される汚染水の放射能は法令基準の約500倍(最大値)に当たる。全体の放射能は約1700億ベクレルで、2号機の汚染水約10リットル分に相当する。東電は環境への影響について『2号機の高レベル汚染水が流れ続けるよりは軽微』としている」

 いまAとB、実際に報道された2つの記事を引用してみました。この2つに記されている放射性物質、どちらがどれくらい危険か、瞬間的に判断がつく人が居られるでしょうか?

 私は少なくとも、最低限の確認をしないと、何も言うことができません。すべて小学生の算数で確かめられる計算ですが、ちょっと手間がかかります。でも、人の命に関わる大切な問題ですから、面倒がらずやってみましょう。

 この2つは単位が揃っていません。Aの汚染水は1cc当たり30万ベクレルとあります。1ccというのは1辺が1センチメートルの直方体の容積で、スプーン1杯にもならない量です。これを1リットル当たりに直すとすると1000倍して次のようになります。

 30万ベクレル/1cc ×1000 cc/リットル = 3億ベクレル/リットル(溶液Aのヨウ素131)

 他方Bの溶液は1万1500トンで「合計1700億ベクレル」とあり、溶液の重さが記されています。仮に液の比重が水と同じ1キログラム/リットルであると考えて(実際にはもう少し重いと思いますが)溶液Aと同じベクレル/リットル単位に直してみると、次のようになります。

 1700億ベクレル ÷ (1万1500トン×1000(トン/キログラム)×1(キログラム/リットル)= 約1万4800ベクレル/リットル(溶液Bの色々な放射能の合計値)