運動後の「筋肉の分解」を防ぐ計画的糖質補給法

運動後の栄養補給の考え方(後篇)

2018.10.19(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

トレーニングの効率向上には事前のエネルギー源貯蔵を

――持久力を高めるためにランニングするといったように、トレーニング効果を高めることを意識して運動する人もいます。

東郷氏が酪農学園大学に在籍していた頃の実証実験のようす。(写真提供:東郷将成氏)

東郷 はい。トレーニングの効率を高めるには、エネルギー源が体内にちゃんと貯蔵されている状態でしっかりと追い込めるような運動環境が望ましいといえます。

 前篇でも言いましたが、糖質が消化・吸収されるまでには30分以上はかかることを踏まえ、2時間前か1時間30分前には、おにぎりやバナナなどを摂る。より直前の時間帯であれば、負担の少ない糖質ゼリーなどを摂るといったことがよいと思います。

 こうした運動に臨む時間帯の補食が難しい場合は、夕方の運動に向けては昼食、夜の運動に向けては夕食といったように、運動する直近の食事で糖質量を増やすなどして、運動によるエネルギーの消費を想定した食事の摂取を心がけるとよいでしょう。

 運動後の栄養補給については、先ほどと同様に運動で消費したエネルギーの回復のために運動直後から体格に見合った糖質およびタンパク質、脂質を含んだ食品を摂取することが好ましいです。食欲が上がらない場合は、糖質飲料の“チョビチョビ”摂取で、筋グリコーゲンが回復しやすい環境を整えてあげることも重要です。

――昼間に仕事をしているような人は、どうしても夜に運動することが多くなります。夜の遅い時間帯に運動するときは、どう栄養補給すればよいでしょうか?

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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