【大平洋の西に前進拠点が必要である】

 海兵隊はアメリカの国益が脅かされるような緊急事態に対処するため、大統領命令により出動する緊急展開軍として位置づけられている。アメリカ本土から東アジアや南アジア方面に緊急出動するには大平洋ならびにインド洋を渡る必要があり、ヨーロッパや中東それにアフリカ方面に緊急出動するには大西洋ならびに地中海を渡る必要がある。そのため、海兵隊は主要部隊をアメリカ大陸の西海岸(第1海兵遠征軍)と東海岸(第2海兵遠征軍)に配置してある。

 ただし、大西洋に比べると太平洋は広大である。そのため、米西海岸から太平洋を渡った西側に前進部隊を配置しておけば、東アジアはもちろんのこと南アジア方面にも海兵隊部隊を迅速に展開させることが可能となる。そこで、太平洋の西側に位置し、かつ極めて政治的経済的に安定した同盟国である日本の沖縄に第三海兵遠征軍が配置されているのである。

【日本防衛と極東平和維持に関する確固たる姿勢を明示する】

 沖縄は、日本列島に対しても、朝鮮半島に対しても、台湾に対しても、南シナ海沿岸域に対しても、まさに「扇の要」に位置している(下の地図)。このような要衝の地にアメリカの先鋒部隊である海兵隊部隊が展開していることは、アメリカが日本の防衛ならびに太平洋・インド洋沿岸地域の平和維持に全力を挙げて取り組む姿勢を明示することになる。

揚陸艦での出動(水色線)、航空機での出動(白線)
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【対日軍事攻撃に対する抑止力となる】

 日本領域の沖縄に海兵隊が本拠地を置いているにもかかわらず、中国が沖縄に軍事攻撃を加えたならば、その瞬間に中国は日本だけでなくアメリカに対しても敵対行動をとったことになる。この論理は中国も北朝鮮もロシアも十分承知している。したがって、沖縄に海兵隊が駐留していることは、日本に対する軍事攻撃の意図を挫く抑止効果を発揮することになる。