国別では日本(2206.7憶米ドル)がトップで、わずかな差でドイツ(2015.6憶米ドル)が後に続いています。その後は3位の米国が1198.8憶米ドル、4位の韓国が531憶米ドルと金額が急減しており、実質的に世界の自動車部品市場は日系とドイツ系の2強が大きく二分していることが見て取れます。

規模が小さい中国系メーカー

 では、中国系メーカーの実力はどの程度なのか。同ランキングでトップ100にランクインした中国系メーカーはわずか4社です。また合計売上高も190.1憶米ドルと日系のわずか8.6%に過ぎません。

 さらに、上位20社に入った延鋒汽車飾件係統有限公司を除く他3社はどれも70位以下です。市場規模に比して中国系メーカーの企業規模は小さいことを如実に示す結果となっています。

 こうした現状の原因については、中国国内でも様々に分析されています。第1に、研究開発が足りず技術力が低いこと、第2に、企業規模が小さく効率も低い中小企業ばかりであることがよく指摘されています。

 前瞻産業研究院の分析によると、中国市場に流通する中核自動車部品の生産割合は、外資企業が約9割に対し、中国企業はわずか約1割に留まっているとのことです。

エンジンの濰柴動力、内装部品の延鋒汽車

 以上のように、中国の自動車部品メーカーはその市場規模に比して実力や規模が伴っていないのが現状です。

 とはいえ、実力のある自動車部品メーカーが中国に皆無だというわけではありません。今後の動向が気になる企業もいくつか存在します。

 現在、中国の株式市場に上場している自動車部品メーカーは134社あります。これらの2018年上半期の累計売上高は前年同期比15.7%増の4252憶元、累計純利益は同18.5%の328億元でした。このうち5%に当たる8社が赤字で、増益企業は76社、減益企業は58社という構成になっています。

 この上場自動車部品メーカー134社のうち、売上高が最大だったのは、山東省を本拠地とするエンジン製品およびエンジン関連パーツメーカーの「濰柴動力股份有限公司」(濰柴動力)です。2018年上半期の売上高は同13.8%増の822.6億元、純利益は同65.8%増の43.9億元という好業績でした。中国の環境規制により、環境対応型の大型トラック市場が活況を呈したことが好調の要因と見られています。