テスラ、上海に工場建設へ 米中貿易戦争の中

米テスラが中国・上海に工場を建設する計画を発表した。北京にあるテスラのショールーム(2018年7月4日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / WANG ZHAO〔AFPBB News

 先日、知人から「中国では自動車メーカーの資本、提携関係がどうなっているのかよく分からない」という話を聞きました。確かに中国の自動車業界は、同じ「トヨタ」車であっても「一汽豊田」と「広汽豊田」という2つのブランドがあるなど分かりにくい構図になっています。筆者も経済記者として駆け出しの頃、中国の中国自動車業界の構図を理解するのに苦労しました。

 そこで今回は、ドイツ系や米国系自動車ブランドを含め、中国自動車市場における主だったブランドの出資構造や関係をできるだけ分かりやすく解説したいと思います。

規制緩和に動く中国政府

 他の一般的な産業と違い、中国の自動車業界は外資系メーカーの進出についてさまざまな規制が設けられています。

 最も基本的なのは、出資に対する規制です。中国で現地生産しようとする場合、単独出資による現地生産会社の設立は認められていません。必ず中国の現地メーカーと提携し、合弁生産会社を設立しなければなりません。その際、外資系メーカーの出資比率は過半数を超えてはなりません。過半数未満の出資比率で現地メーカーと手を組む必要があります。

 なお、他国で生産した完成車を中国に輸入して販売する形であれば、この限りではありません。日系ではスバルがこの形式を取っています。輸入総代理店となる中国現地販売会社(斯巴鲁汽車(中国)有限公司)のスバルの出資比率も60%となっています。