昌河鈴木の2017年の販売台数は前年比42%減の2万6370台と伸び悩んでおり、過去には工場でストライキも発生していました。提携解消の噂はかねてからあり、筆者にとって今回の発表は特に驚きはありませんでした。

日産、ルノー、東風汽車の強固なアライアンス

 変わって下の表は、中国ブランド側からみた外資ブランドの提携先をまとめたものです。

中国乗用車ブランドから見た外資系との提携関係

 この中で注目すべきは東風汽車です。前述の通り、東風汽車は日産、ホンダと提携していますが、日系メーカーのほかフランスのルノーとも提携を結んでいます。

 言うまでもなくルノーは日産と長く提携関係にあり、両社ともカルロス・ゴーン氏が会長を勤めるなど、経営はほぼ一体化していると言っても過言ではありません。そんな両社は東風汽車と強く結びついており、この3社に、データ不正問題をきっかけに日産傘下となった三菱自動車を加えた4社は、世界戦略的に強固なアライアンス(同盟)関係にあると言うことができます。

 こうした日欧中のアライアンス関係だけでなく、近年は吉利汽車によるスウェーデンのボルボ買収をはじめ、中国メーカーによる欧米自動車ブランドの買収例も増加しています。

 世界最大の自動車市場を抱えるだけに、今後こうした世界レベルでの業界再編において中国が台風の目であり続ける可能性はきわめて大きいと思われます。以上のような日米欧中のブランド同士の提携関係を把握しておくことは、自動車業界の将来を占ううえで大いに役立つでしょう。