聴衆の心を動かすのは登壇者が貴重な経験を語るとき(写真はイメージ)

 マーケティング、広告、テクノロジー、エンターテイメントなどの幅広い業界がひとつとなり、未来のソリューションを共に探求する世界最大級のマーケティング&コミュニケーションのプレミアイベント「Advertising Week Asia」。2016年にアジアへ初上陸を果たし、今年が3回目となる。

 昨年に引き続き六本木・東京ミッドタウンにて5月14日から17日までの4日間を通して行われるAdvertising Week Asia 2018に先立ち、Advertising Week Asia エグゼクティブ・プロデューサーを務めるイグナイト代表取締役の笠松良彦氏に、本イベントの見どころや広告業界の最新トレンドについて、話を聞いた。

東京はアジアにおける広告業界の中心

 Advertising Week Asiaとは、2004年にニューヨークで発足し、シドニー、メキシコシティ、ロンドンで開催されているグローバルなイベント、Advertising Weekのアジア版だ。世界を牽引するビジネスリーダーや各界の著名人らが登壇し、ここでしか聞けない貴重なトークが繰り広げられるほか、夜には参加者限定のネットワーキングパーティーも開催される。

イグナイト 代表取締役 Executive Producer
Advertising Week Asia エグゼクティブ・プロデューサー 笠松 良彦氏

 昨年のAdvertising Week Asiaの参加者は1万3714人。今年は1万5000人くらいになると笠松氏は見込んでいる。

 「広告業界のイベントで有名なものとしては、『アドテック』や『カンヌ国際広告祭』が挙げられるが、それぞれ『アドテック』はアドテク、『カンヌ国際映画祭』はクリエイティブが中心のものであり、対象となるジャンルがある程度絞られています。一方、Advertising Week Asiaはジャンルを絞らず、マーケティング、広告、テクノロジー、エンターテイメントなど、すべての領域が入っているのが最大の特徴です」

 先に紹介した通り、Advertising Weekは世界各地で開催されているが、3年前にアジア版を始めるにあたり、なぜ東京が選ばれたのだろうか。その理由を笠松氏は次のように説く。「僕たちは、今の広告業界の中心は東京だと自負しています。その我々の主張と各種サーベイの結果をもとに、主催社が協議した結果、3年連続で東京開催となっているのです」

“熱狂を創り出す”に込められた思い

 Advertising Week Asia エグゼクティブ・プロデューサーを務める笠松氏の本業は、イベントオーガナイザーではない。

 笠松氏はNEC、博報堂を経て2001年に電通に入社。2005年には電通とリクルートのジョイントベンチャーであるメディア・シェイカーズの代表取締役に就任した後、電通コミュニケーションデザイン・センターを経て、2010年7月にイグナイトを設立している。業界に精通していながらも、特定のエージェンシーの色に染まりすぎていないところが評価され、業界の祭典を取り仕切ることになったそうだ。