トゥモローのマイク・ウォルシュCEO(撮影:風間仁一郎)

 デジタル化・自動化が進んだ時代のビジネスにおいては、テクノロジーの理解と同時に、人間に対する観察と理解がますます重要になる──。

 2018年3月20日、KPMGジャパンがエネルギー業界向けのセミナー「E&I Roud Tables Seminar Advanced Innovation Technologyのエネルギー事業への応報」を開催した。本セミナーで基調講演を行ったグローバルコンサルティング会社、トゥモローのマイク・ウォルシュCEOは、技術変革がリードする時代における企業経営者の心構えを以上のように説いた。

 デジタルの普及が、市場やビジネスモデル、ビジネスのスピードを劇的に変化させつつある。その変化に合わせて、経営者も発想や意思決定の方法を変えていかなければならない。テクノロジー全盛時代に求められる経営のあり方、日本企業の課題などについて、ウォルシュ氏に話を聞いた。

2つのタイプを兼ね備えるこれからの経営者

──ウォルシュさんは世界各国の経営者に会ってアドバイスを提供していると聞いています。優れた経営者に見られる共通性はありますか。

マイク・ウォルシュ氏(以下、敬称略) これまで、2つのタイプの優れた経営者にお会いしました。1つは、人間を深く理解しているタイプです。そうした経営者はカリスマ性が強く、周りの人に多くのインスピレーションを与えます。