マハティール元首相、ランカウイから出馬 マレーシア総選挙

マレーシアのリゾート地ランカウイ島での選挙集会で、野党連合の候補に選ばれ関係者と一緒にあいさつするマハティール・モハマド元首相(2018年4月15日撮影)。(c)AFP PHOTO / Mohd RASFAN〔AFPBB News

文中敬称略

 安倍政権を揺るがす森友問題は、「アッキード問題」とも揶揄され、首相である安倍晋三の妻、“アッキー”こと昭恵が渦中の1人となっている。

 意に介さない本人を横目に、「昭恵さんは、安倍首相、安倍政権のアキレス腱。まさに、暴走妻」(与党有力者)と政権内部でも手を焼いているようだ。

 古今東西、東南アジアにも、夫である首相が手をつけられない暴走妻がいる。“東南アジアのアッキー”こと、マレーシアの首相、ナジブの夫人、ロスマ(本名:ロスマ・マンソール)だ。

先進国ではあり得ない

 マレーシアでは5年に1度の総選挙が(筆者の予測報道参照)5月9日(4月28日告示)に実施されることが決まり、与党優勢がささやかれる一方、各地で与党、野党主催の政治集会が開かれ、事実上の選挙戦が展開されている。

(参照=「政権交代で中国の一帯一路を封印したいマレーシア」「マレーシア総選挙に中国の影 民主化は遠く」)

 もともとナジブは、野党連合の足並みが揃う前に議会を解散し、総選挙を前倒ししたい意向を示していた。

 しかし、自らが代表を務めた政府系投資会社「1MDB」絡みの不正公金横領疑惑に加え、妻のロスマも同様に、1MDB関連の不正公金受領疑惑をはじめとしたスキャンダルが浮上する中、総選挙前倒しは不利と判断し、方針転換したと見られている。

(参照=「マレーシア政府系投資会社の巨額不正資金が明るみにhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43250」「世界のスーパースターたちの『汚染』が明るみにhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50575」、週刊新潮解説記事https://www.dailyshincho.jp/article/2017/07170559/?all=1

 「自らの出身政党をぶっ壊し、ナジブ打倒の急先鋒に立つ」と野党同盟の指導者、元首相のマハティールは公言する。例えば、日本や欧米先進国であれば、ナジブはすでに首相退陣に追い込まれているはずだ。

 というのも、ナジブは1MDB資金から個人口座に約7億ドル(1ドル=約108円)が送金された疑惑について、「サウジアラビアからの献金」としているが、1MDB関連で捜査を進める米司法省は「サウジアラビアからの入金ではない」と確認し、1MDB資金と見ている。

https://www.justice.gov/archives/opa/page/file/877166/downloadhttps://www.justice.gov/opa/press-release/file/973671/downloadhttps://www.justice.gov/opa/pr/us-seeks-recover-approximately-540-million-obtained-corruption-involving-malaysian-sovereignhttps://www.youtube.com/watch?v=_gBNuJCGezY&app=desktop

 このこと自体、欧米先進国なら政治家の倫理観や諸外国からの政治献金などの規制法律に違反しているからだ。