また、ミサイル防衛については、東京と大阪以外の、蓋然性が低く被害も少ない地域は防衛の優先順位から外し、首都圏と大阪を集中的に防衛すべきだろう。日本全国に津波の防波堤を作るべきではないのと同様に、高知のように戦略的に価値のない地域へのPAC3の展開は中止すべきだ。イージスアショアの調達も半分の1基とする、もしくはより小型かつ移動式のTHAADに変更することが必要である。むしろ、サイバー攻撃能力の充実が必要だ。

 漁船対応にしても、米海軍が検討しているように、無人船舶や非殺傷兵器の導入を進めるべきである。

 いずれにしても、状況はかつてとは大きく異なっている。我々は、我々よりもはるかに経済的に優越した相手との消耗戦に勝たねばならず、その際は費用対効果を意識しなければならない。

 図らずも米国の海兵隊戦闘研究所(Marine Corps Warfighting Laboratory)のジェフ・トムザック科学技術部副部長がこう指摘している。

「技術的革新は豊富なオプションを提供しており、あらゆるテクノロジーは、あらゆる活用ができる。しかし、それらのすべてを追求することはできない。問題は、すべてを買う余裕がなく、納税者は軍隊がすべてを買うことを望まないことだ。私の仕事は、できるだけ公平で、能力の公正な評価を提供し、投資収益が最大となる能力を勧告することだ」

 けだし名言だろう。自衛隊には全てを買う余裕がなく、納税者もそれを望まない。効率的に軍拡競争を勝ち抜くことこそが重要なのだ。