一部で空母化が取り沙汰されているヘリ空母「いずも」も同じ問題を抱えている。中国の対艦弾道ミサイルDF-21は1ユニット6~12億円、それに対していずもは1隻1200億円である。つまり中国にとっては、いずもにDF-21を100~200発撃ち込んでもお釣りがくる計算である。

 尖閣諸島周辺やその他の島嶼(とうしょ)部も同様だろう。中国や北朝鮮がマグロ漁船やイカ釣り漁船などを送り込めば、日本側は貴重な海上保安庁の船舶を投入して対応しなければならない。

 このように我々は、北朝鮮や、資源が無尽蔵の中国に対し、貴重で数少ない防衛力を消耗しつづけているのである。

自衛隊には全てを買う余裕はない

 では、こうした状況をどのように打開すべきか。

 少なくとも領空侵犯への対処については、廣中氏が指摘するように抜本的な見直しが必要だろう。

 第1に、領空侵犯対処には旧式機(非近代化F-15、F-4)等の専任部隊に当たらせること、第2に既に台湾が実施しているように無人機の活用も検討すべきだろう。台湾は自国開発した無人航空機32機を台湾海峡で飛行させ、中国軍の沿岸での活動や航空機の展開への偵察活動を行っているという。我が国も中国軍機の活動や将来ありうる軍用ドローンの飛行に対して、無人機を対領空侵犯措置に直接・支援的に活用することを考え、加えて、こちら側からも偵察活動による消耗を仕掛けるべきだ。わが国での開発は事実上失敗に終わったが、「無人機研究システム」で培われた基礎技術を多いに活用し、推進すべきである。