こうした「亡国投票」が続発している背景に、「ネット僭主」の支配が指摘され「メディア陶片追放」や、その背骨をなすべき「デジタル撃退力(Digital Competency)」の重要性が指摘されています。

 かつてドイツでは、ラジオによるメディア・マインドコントロールによってナチスが異常な高支持率を選挙で得てしまい、欧州全体を破壊する戦争とホロコーストという取り返しのつかない事態を発生させてしまいました。

 いま、そうした悪夢を再現させかねないのが「ザッカーバーグの魔術」であり、デジタルメディア・マインドコントロールの罠にほかなりません。

デジタル僭主制としての富裕層トランプ政権

 「僭主(tyrant)」とは、古代ギリシャで民主主義を破壊する独裁者を指す言葉で、議会の合議制や民主主義のルールを守らず、賄賂その他の方法で権力、支配力を蓄え、理不尽で不平等、一部の権益だけを護るなど、不法な政治を行う存在です。

 例えば、自分のお友達にだけ特権的な公共事業を割り当てる、といった不法は「僭主的」と言ってよいかと思います。日本でもそういう兆候が見え、危険な状態と思いますが、ことは欧州でも米国でも起きています。

 その支配の具として濫用され始めているのが21世紀第2ディケードのインターネットである、という認識をもって、正しく「ネット右翼」を撃退根治してゆかないと、とんでもないことになりかねません。

 と言うか、現実に「とんでもないこと」は起きているわけです。 

 不動産王として莫大な不労所得を持つドナルド・トランプ氏は、70歳まで公職と一切無関係だった政治の素人、外交など何の見識もない老人に過ぎませんが、あろうことか米国の政権を取ってしまった。それにおもねる情けない国もある。

 これをもってデジタル僭主性という全世界規模での危機、クライシスの最右翼と正確に認識し、冷静な対処を講じる必要があります。

 そういう過不足ない危機意識を持つ必要を、日独双方の有識者、また今回はドイツ各政党から政治家も招いて、入念な議論が行われました(いろいろ揉めているSPDドイツ社会民主党からの出席はドタキャンされました)。

 細かなことは追って記すとして、ここでは「ネット右翼」の特徴と、典型的な撃退法を記しておきたいと思います。

 まず最初に押さえておくべきポイントは「ネット右翼はバカである」ということです。これは誹謗中傷ではなく、以下のような定義に基づくものです。

●論理がない。
●従って論理的な会話が成立しない。対話による議論の発展や合意が成立しない。
●利害に基づく(あるいは利害さえ定かでない)結論ありきで、同じことを繰り返す。
●平気で他者を誹謗中傷する。
●しばしば匿名である。