「インターネット性善説」は完全に期待を裏切られ、「インターネット性悪説」が21世紀の現実を考える喫水線になってしまった。

 座間で先月明らかになったSNSや「自殺サイト」を悪用した犯罪も、まさにこうした「性悪説」状況を実証する、最悪の事例となってしまっています。

民主制対僭主性

 これが選挙にまで影響を及ぼし始めたのが、21世紀第2ディケードに現在進行形で進んでいる変質です。日本では2013年から「ネット選挙」が解禁されました。

 リアルな選挙活動ではできないことも「ネットワーク匿名性」の影に隠れて、様々に実現可能になっています。

 「性善説」では民主主義の進展が期待されたけれど、現実には「有力者」「金持ち」といった勢力が、人を雇って様々なネット工作を展開し始めた。

 「ネット右翼」が跋扈し始めるのはこの時期からだと、今回の会合では日本のみならずドイツ側知識層からも、厳しい指摘がなされました。

 念のため記しておきますが、ドイツでは去る9月の総選挙で極右政党AfD「ドイツのための選択(Alternative für Deutschland)が12.6%の得票率をえて初めて国会に進出、いきなり第3党に躍進し、穏健な良識層に深い懸念を起こさせています。

 このAfDが結党されたのも2013年のことです。シリアからの移民大量受け入れが引き金となって、このような結果が、とりわけ旧東ドイツの開発から取り残された地域での集票からもたらされてしまいました。

 無理もありません。やはり移民が引き金となって、昨年2016年には英国の国民投票で、誰もがあり得ないといっていた英国がEU離脱を決定してしまいました。

 どうみても合理的な選択ではなく、何も良いことがない国益の激減を民意は選択してしまったのです。

 加えて秋には、誰もが冗談候補と思っていたドナルド・トランプ氏が米国の大統領に当選し、米国は本格的に危機的状況を自分自身にも、また全世界にも突きつけ始めてしまいます。