米韓、THAADの追加配備で合意 住民と機動隊の衝突も

韓国・慶尚北道星州郡にある元ゴルフ場付近で、米国の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(サード)」の装備を搭載したトレーラーが通行する中、抗議する住民やデモ隊を阻止する機動隊員ら(2017年9月7日撮影)。〔AFPBB News

 「安保は米国、経済は中国」――都合の良い話だが、韓国では特に2000年以降、こんな言い方が頻繁にあった。それほど中国に対する経済依存度が急上昇していた。

 だが状況は最近、急変してきた。「地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)の配備に対する中国の報復措置のせいだ」という見方が多かったが、実は、それだけが理由とも言えない深刻な事情もある。

 「自動車、スマートフォン、流通業者など、中国市場で韓国企業の苦戦ぶりは、予想以上だった。サード配備への報復だという声をあちこちで聞いたが、果たしてそれだけが理由なのか?」

 最近、中国で韓国企業関係者と会って来たばかりのある大学教授は、危機感を強めている。

「悪いニュース」が続く・・・

 なにしろ、中国とのビジネスがらみで、悪いニュースばかりが目立つのだ。

 現代自動車の2017年1~6月の中国での販売台数は35万1292台で前年同期比40.7%減だった。グループ企業である起亜自動車は、14万9672台で同54.2%減だった。1年間で販売が半減してしまったのだ。

 2016年の世界全体の販売台数のうち中国市場が占める比率は、現代自動車が23%、起亜自動車が22%で、きわめて販売依存度が高い重点市場だ。

 販売不振は、中国工場に供給する部品を製造するグループ部品メーカーも直撃している。中国での販売不振は、現代自動車グループにとって大きな打撃だ。

 さらに追い討ちをかける出来事があった。

 中国での販売不振で中国合弁工場の操業率が低下し、業績が悪化した。部品供給先への代金支払いが滞ったため外国系の一部部品メーカーが部品供給を拒否し、工場の操業が止まる「事件」が起きた。