最後は、人工知能(AI)との組み合わせである。海兵隊副司令官(兵站担当)のマイケル・ダナ中将は、今年6月、「Military.com」誌の取材に対し、将来的に海兵隊のトラックは、人工知能によって消耗寸前の部品を診断・発見し、自動的に注文を行い、消耗する前に3Dプリンタで生産した部品が自動的に届けられるようになると明らかにした。

 ダナ中将は、「将来的に海兵隊は、工場で作られた部品が届くのを待つのではなく、瞬時に3Dプリンタで生産・交換できるようになる最初の軍隊となる」と言う。人工知能と3Dプリンタの組み合わせが実現すれば、海兵隊の兵站効率は予算・時間共に大幅な効率化が図られるだろう。

自衛隊は「ファッションショー」に夢中?

 これらの方向性は2つに総括できる。

 第1は、非対称戦略の採用である。海兵隊はドローンと3Dプリンタを装備体系の中核に据えることで、膨大かつ安価なシステムを構築し、中国軍の質量ともに膨大な兵器群に対抗しようとしている。特に、いずもへの無人戦闘機導入は注目すべきアイデアであろう。

 第2は、民生技術の転用である。人工知能も、ドローンも、3Dプリンタも、ブロックチェーンも民生発技術である。民間の低価格・高性能な技術をいち早く転用することで、質における優位性を確保しようというわけだ。

 実際、ダナ中将は「将来的に海兵隊は、工場で作られた部品が届くのを待つのではなく、瞬時に3Dプリンタで生産・交換できるようになる最初の軍隊となる。テスラの自動車はソフトウエアが自動的にアップグレードされているし、私の妻のレクサスはオイル交換が必要な時期を教えてくれる。これは既に民間にある技術であり、それを軍隊に組み込みたいのだ」と述べており、民間の優れた技術の確保を重視しているのは明らかだ。

 海兵隊と同規模の自衛隊はこうした柔軟な発想を見習うべきである。しかし、装備庁・自衛隊にその姿勢は見られない。一部を除いた技官の多くは非常に狭いタコツボ型知識に拘泥しており、自衛隊も「軍隊かくあるべしという形式主義」から抜け出せていない。

 先頃、陸自は各駐屯地で、新しい制服は黒・紫・濃緑の3種類のどれが良いかというアンケートを行った。新制服はデザインもストライプを入れたり、制帽の装飾を増やしたりするなど現行から大きく変化している。だが、陸自の17万人分の制服変更ともなれば、膨大な予算と時間が浪費されるのは言うまでもない。形式主義の最たるものであり、隊員の多くがこれに反対している。自衛隊に、こうした余裕はもはやないはずだ。今こそ、発想の転換と外部を巻き込んだ自由な議論が求められている。

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