質でも同様だ。米軍事アナリストのカイル・ミゾカミ氏をはじめ多くの専門家が、今年進水した中国軍の55型駆逐艦を、米海軍の主力艦であるアーレイ・バーグ級に匹敵すると評価している。

強襲揚陸艦を「ドローン空母」に

 こうした状況に対しイノベーションで対応しようとしているのが、米軍の「第3の相殺(オフセット)戦略」である。特に米海兵隊は「ドローン空母」や「3Dプリンタ」で対抗しようとしている。

 7月3日の米外交専門誌「ディプロマット」でトビアス・バーガースとスコット・ロマニウクが海兵隊のドローン空母構想を紹介している。その概要は以下のとおりである。

・海兵隊は、強襲揚陸艦から垂直離着陸が可能な大型無人戦闘機を開発中である。これは「MUX」と呼ばれるシステムである。

・この機体はV-22オスプレイと同じ速度・航続距離を持ち、その護衛が可能である。またF-35と同じミサイルを搭載することができ、空対空戦闘、電子戦、指揮統制、早期警戒、航空攻撃も可能である。2017年に最初のテスト飛行が行われ、2026年以降に運用システムが完成する見込みである。

・中国や北朝鮮が対艦弾道ミサイル等によって米空母に深刻なリスクをもたらそうとしている。そうした時代において、こうした小型艦艇と無人機によるシステムは南シナ海、東シナ海で有効性を発揮するだろう。

・日本のいずも級ヘリ搭載駆逐艦にもこのようなシステムを搭載させれば、日本は堅牢な無人機艦隊を得ることができ、本土周辺を超えて航空戦力を展開・強化できる。米海軍の負担も軽減できる。

 大型無人機は戦闘機に比べて予算的にも人的にもはるかにローコストである。それらを、やはり空母に比べると予算が少なくて済む強襲揚陸艦に搭載することで、中国の非対称戦略(安価な手段で、高価値目標を破壊する)に対抗しようというのである。