金銭の授受については、多くのメディアが報じ、K氏も「15万円を7~8回にわたって受け取ったのは事実」(朝日新聞1994年2月22日)と認めている。

 その後、K氏は、自治医大関連の「地域医学研究基金」へ出向している。

 前出の『選択』2013年9月号では、「このK(筆者変更。本文では実名)を重用したのが高久(筆者注;髙久史麿・日本医学会会長)である。Kはその後も専門医制評価・認定機構や、医療安全全国共同行動の事務局を仕切ると同時に、会長選で高久の集票マシーンとして動いた」と説明されている。

 新専門医制度は医師派遣を通じて、大きな利権を生み出す。その事務局を、かつて医師派遣で金銭的問題の「前科」のある人物が仕切っていた。これは、一般的な社会常識と乖離する。

地域医療振興協会との利益相反も

 問題は、これだけではない。理事長を務める吉村博邦氏の肩書きだ。

 吉村氏は昭和41年に東京大学医学部を卒業した胸部外科医で、北里大学の医学部長を務めた。ただ、現在の主たる肩書きは地域医療振興協会の顧問だ。

 同協会が経営する練馬光が丘病院で、呼吸器外科の外来を担当している。同病院は、2011年に日本大学から運営権を引き継ぐ際に、必要な医師数が揃えられなかったことで社会の批判を浴びた。

 地域医療振興協会は、自治医大の卒業生が中心となって立ち上げた組織だ。事務局は千代田区平河町の都道府県会館の中にある。同じフロアには、自治医科大学も入居している。

 会長を務めるのは髙久氏だ。理事には自治医大と東大卒業生が名を連ねる。