もともと安哲秀氏がベンチャー企業創業者出身で若者に高い人気があったが、今回の選挙では、進歩層、若者の票が文在寅氏に流れ、その代わり、60代以上で保守・中道層の票をかなり取り込んでいるようだ。

 では、最新の世論調査はどうなっているのか?

 先ほど触れた「朝鮮日報」の世論調査では、5人の対決が続く場合、

文在寅氏    36.3%
安哲秀氏    31.0%

 だ。また、15日~16日に実施した「中央日報」の世論調査は、

文在寅氏    38.5%
安哲秀氏    37.3%

 だ。これまでの例なら、投票まで1か月を切った時点で世論調査で首位に立った候補がほとんど逃げ切っている。

1か月前の世論調査が最終結果にならない?

 だが、今回は過去の例が通用すると言い切る専門家はほとんどいない。保守層は最終的にどういう判断をするのか。

 5人の候補者のうち、保守系の候補者が果たして「完走」するのか。1人抜けた場合、その支持者の票が安哲秀氏に行くのか。また、そうだとして、安哲秀氏から離脱する進歩支持層の票はどれほど出るのか。

 もっと分からないのが、保守層や若者が果たして投票に行くのかどうかだ。

 保守層は、自分が本当に支持する保守の候補者がいないか、いても当選可能性はきわめて低い。にもかかわらず、「誰かを落とすために」投票に行くのか。

 若者は、どう出るか。韓国では投票の前の週は、休日が多い。3日が釈迦誕生日、5日がこどもの日で休日だ。両日にはさまれた4日を休みにする企業も多い。さらに9日の火曜日は大統領選挙の投票日で休日だ。8日を休めば、一気に長期連休になる。

 「季節的にも日本などに旅行に行く絶好の時期で、投票と旅行のどちらを選ぶのか迷っている若者もまだ多い」(韓国紙デスク)

 若者支持率が高い文在寅氏とすれば、20代や30代の投票率が下がることは手痛い。連休の利用法にまで頭を悩ませる選挙戦だ。

 朴槿恵(パク・クネ=1952年生)氏の罷免で思わぬ形で大幅に繰り上がった大統領選挙。異例ずくめで、予想も最後まで難しい選挙戦だ。